マナー講師の原点
研修講師の仕事をはじめて、今年で20年目を迎えます。
現在は、階層別研修や、キャリア研修、メンタリング導入研修など、企業様のニーズに応えられるようプログラム開発しておりますが、その中心にあるものは、「接遇=おもてなし」
にあるという思いが益々強くなってきています。
今年は、原点に戻って、「おもてなしマナーを極める!」一年にしたいと思います。
わたくしの、「マナー講師」の原点は、仕事を始めて数年目の講演会会場での出来事にあります。
地元のホテルでの講演会「心からのおもてなし」そんなテーマでした。
エントランスのところで、抱っこしていたお子様が手に持っていたお菓子をバラまいてしまい、困っているママの姿がありました。
これから数十分後に始まる講演内容で頭がいっぱいだった私は、なんとあろうことか、その場をスルーして、ホテルに入ってしまったのです!
用を足した後の洗面所の鏡に映ったのは自分の顔ではありましたが、その目の中に映ったのは、その時の困惑するママの顔でした。そこで、初めて私はその場をスルーしてしまったことの意味に気づいたのでした。
「心からのおもてなし」を講師として伝えることの滑稽さは、まさに穴があったら入りたいほどでした。
そこから数年、私にはマナー講師をする資格なんてないという自責と、だからこそ学ばなければという恐れから、礼法マナーの師匠に師事し、ホスピタリティの書籍を読み、お茶席に足を運び、学び、実践を続けました。
その学びの中からある日、
「教えるものが一番学ぶ」
「天職とは、神様が与えた職」
そんな2つの言葉が、自分の中に芽生えました。
天職とは、神様が与えた職業であるならば、自分の中で一番学ばなければならない「おもてなし」を仕事として与えられたのだと納得できた瞬間でした。
この体験がなかったら、20年マナー講師としての仕事ができていたか?
そう思うと、ホテルのエントランスでの出来事こそが、私にとって「マナー講師」の原点なのです。
今年は、20年目の節目。より一層、「おもてなし」の実践と学びを深めていきたいと思います。